講師の仕事、向いてないのかな。柏崎先生の誘いだったから断りたくなかったし、軽く教えるくらいならと思っていた。けれど、生徒には心配されて仕事は行き詰まって。
自分でもどうしたいのか分からないの。どうしたら上手く行くのか分からないの。頑張っている。ただそれだけで結果がついてきてくれたら良いのに。そしたら、無理をしてでも頑張り抜くのに。

「お前に何の関係がある?」

不適に笑う柏崎先生が少し怖くなってしまった。本気で言っているのか、龍人くんをからかって言っているのか。どちらか分からないほど、裏のある瞳で龍人くんを見ていた。
柏崎先生には申し訳無いけれど、疑ってしまった。本当にこのまま、柏崎先生を信じて思い続けて良いのか分からなくなってしまった。あまりにも残酷な現実を叩き付けられたような表情で龍人くんを見ていたから、弄ばれていたのは私の方なのではないのだろうかと不安になったんだ。