「柏崎先生の休みですか？」

撤回されたらって思うと怖くて訊きたくなかったけれど、訊かなきゃダメだよね。ただでさえ汚れているんだからもっと嫌な奴だって思われたくない。

「あ、そっか。んー、だな。待たせるのも悪いしな。来週の土日、仕事終わりって空いてるか？」

ねぇ、柏崎先生。どうしていつも優しくしてくれるんですか。その優しさが私を期待させて、落ち込ませている事を知っていますか。私の心を忙しなくさせている事を知っていますか。
断られなくて良かった。そう思うと同時に、先生を待たせてしまうんだという焦りに似た気持ちが私の心に根を張った。
いくら仕事とはいえ、人を待たせるのは気が引ける。必要な時間を奪っているような気がして本当に申し訳無くなってしまうんだ。きっと柏崎先生はそんな事気にするなって言ってくれるんだろうけれど、私の中ではそんな事じゃ済まされない。