ふと思い浮かんだ疑問をそのまま千晶くんにぶつけると、やっと雑誌を閉じて。
「…さぁ。なんでだと思う?」
むくりと体を起こした千晶くんは、宝石みたいにキラキラと光を纏った瞳で私を捉える。
「こ、告白してくる女の子がタイプじゃないから?」
「うーん、不正解。ゴリゴリ好みの子もいたりした」
え、余計謎。
「じゃあもしかして……ゲ、ゲイ…とか?」
「まあ俺くらいになれば男に惚れられてもおかしくないよね。でも不正解。次」
で、ですよね。よかった。
「んー、じゃあ、好きな子がいるとか!」
「うん、正解」
「っええ!?」
そ、そんなあっさりと極秘情報を…!
「なにそれ初耳!!誰誰?」
「うわ、何その顔。マジで言ってんの?」
「へ?」
珍しくうんざりしたような顔でため息をついた千晶くんにポカンとする私。
「まぁいいや。次、紗和が俺の質問に答える番ね」
「え、まぁ、いいけど…」
もう、せっかく聞き出してやろうと思ったのに。