「私ね、かっこわるい千晶くんも好きだからね」
「…そりゃどうも」
「それにかっこ悪くてもかっこいいから、大丈夫だよ」
なーに言ってんだか。
でも、まあいいか。
幸せそうに笑う紗和を見てると、もう他のことなんかどうでも良くなる。
「ねぇ紗和、膝貸して」
「はい、どーぞ」
心地いい体温。落ち着くにおい。
「ふふ。やっぱり千晶くんって甘えただ」
「うん。紗和にだけね」
いつだって、どこだって。
俺はきみにだけ、甘えたいと思ってるよ。
かっこ悪い俺でも好きだという優しすぎるきみだから
ついつい、いつも甘えたくなるんだ。
だからこれからも、こんな俺を許していてほしい。
「私以外に甘えないでね?千晶くん」
「…もちろん」
これからも、きみにだけ。
fin.