翌日。
千晶くんの言ったバイバイの意味を、嫌でも思い知る私。
「……なにあれ」
朝、いつも決まった時間に私を起こしに来ていた千晶くん。
今日はそれがなくて、寝坊して大急ぎで教室に駆け込んだ私は目を見開いた。
「千晶くん、放課後どこいく?」
「どこでもいいよ。どうせ暇だし」
「じゃあカラオケとか?」
「いいんじゃない?みんなで行こっか」
振りまかれる、王子様スマイル。
そしてそれを囲む、女子の山。
ついこの間まで逃げ回っていたくせに、いきなりサービスタイムなんてどういうこと?
もやもやしながら人集りの中心にいる千晶くんに視線を送るも、目が合ったはずなのにすぐ逸らされてしまって。
…何なのよ、千晶くんのばか。
バイバイって、こういうことなの?