朝から母親と父親に起こされ、ゆっくり支度をする私、及川 絢音。



詳しく説明すると、母親と父親と言うのは、義理だ。実の母親に実の父親は私を養護施設に預け、捨てていった。これは、幼馴染みの凛飛も知らない。その他もあるけどまた今度。



ま、どうでもいいか。



ガチャ



「いってきまーす。」



行く気のない声をだし外に出たら、幼馴染みの凛飛が待っていた。



「よっ。」



練習着とバッシュ、バスケットボールが入った鞄を背負い携帯を弄りながら待っていた。



「おはよ、」



私は凛飛が好きだ。でも、その気持ちは絶対に言わない。凛飛にも好きな子がいるからだ。その子を私は知っている。



私の親友、岡部 奈由(おかべ なゆ)。小柄で、私とは大違いの美少女。



なんと、奈由ちゃんも凛飛が好きなようだ。



もう、このまま付き合っちゃえばいいのに。そうすれば、私もこの恋に区切りをつけられる。



「絢音~。行くぞ~。」



「うん。」



そう言って歩くこと10分。校門近くを歩いていると、急に凛飛が忙しなくなった。その理由は、奈由ちゃんが反対方向から、歩いてきてるのが見えたからだ。



私は邪魔になるかな。



退散退散。っと。



「じゃ、頑張って。先行くわ~。」



「ちょっ、絢音!」



その声を無視し、昇降口までにつく間に会った美香城森 亜理砂(みかきもり 亜理砂)と教室まで一緒に行った。



亜理砂を私は、亜里と呼んでいる。



亜里は、私が凛飛のこと好きなことは知っている。大親友だからね。奈由とは高校から、亜里とは幼稚園からの大親友だ。



「おはよー。」



「あー、おはー。どうしたの?今日は早いじゃん。」



「あー、まぁね。早く家に帰れたもんでねぇ。」



亜里は私の過去を全部知っている。凛飛でも知らないようなことでもだ。



「あんた、またやってたの?大丈夫?体。あんま、無理しないでね。心配してるんだから。」



「あはは~。わかってるよ~。」



「親御さんたちにばれてないの?」



「大丈夫だよ。バレないバレない。鈍いからねぇ。」