だが、それは過去の話だ
『お姉ちゃんとはいつから知り合いなの?』
「…詩織とは、楓と付き合う前から。楓のお姉ちゃんだって知る前。専学の時にバイトしてた居酒屋の店長と友達で、それで話すようになって…」
そう言って語尾は濁した
「楓と付き合い出して、詩織とは会わなくなった。だけどそれも一年経って、詩織から連絡きて…まぁ、そうなったわけでさ…」
うん、知ってる
心で答えてしまう
「楓と別れた後、詩織とずっと一緒にいたんだ。でも俺の気持ちは楓で、それでもいいと言ってくれた。詩織といることで癒えて行ったけど、楓に男ができた、て聞いた落ち込んだ」
そんな落ち込んだ姿を
お姉ちゃんは
「私がなんとかする」と言い出て行った