明日の夜の新幹線で帰る、と言っていた


「また俺を信じてくれるなら、明日、一緒に帰ろう」


そう言って健ちゃんは去って行った
健ちゃんからのプロポーズ
期限は明日の夜
急に不安にかられてしまう

どうしたらいいか、わからない
すぐに出せる答えでもない
時間だけが過ぎていく

健ちゃんと別れ
部屋へ帰るともう日が落ちてきた
夕食の準備をしなきゃ、と
キッチンへ行く


もし、今日
健ちゃんと帰ったら
もう二度と亮平さんに会うことはないだろう
こうして亮平さんに料理を作ることもない
亮平さんから健ちゃんへかわる
健ちゃんのために料理を、つくるの?


そう考えると涙が溢れてきた
亮平さんと離れる覚悟なんてない
でも、疑い続けながら
亮平さんと暮らす覚悟も持ち合わせていない

限界にきていた