「愛してる」「楓っ、愛してる」


唇が触れるたびに
愛を口にする亮平さん

あんなに熱く
嬉しかった愛も
今では冷たく感じてしまう


私の心は冷めていた
嘘で塗り固められた亮平さんを
私は受け入れたが
その代償に私は心を閉ざした

何もなかった
何も聞かなかった
もう一人になりたくない
誰かが隣にいて
一緒に過ごす幸せを味わってしまった以上
一人になる勇気がなかったのだ

それに
もう慣れっ子だ
みんな姉を選ぶ
でも、もう姉はいない
もう誰にも邪魔されない


「楓っ、」


なんども私の名前を呼び
なんども私にキスをし
そして、私の中で果てた亮平さん


しばらくすると
亮平さんは私を抱きしめたまま眠りについていた