亮平さんは私から目をそらし
人違いだ、と言い放った


あぁ…、まただ
私は本当に男運がない
私には結婚どころか
彼氏を作ることすら縁がないんだ



『わかった。もう、いいわ』


もう、いい。
私の心は全てを諦めてしまった


「楓、俺は楓を愛してる。これは嘘偽りない。これからの人生、楓と一緒に歩いていきたいんだ」


私の手を取り
亮平さんは熱い眼差しで私を見つめる


『ありがとう。私も亮平さんが好きよ』


わかっていても
亮平さんが好きと言う気持ちは変わらない
変わらないけど…、



カタン、と椅子から立ち上がった亮平さんは
私の手を持ったまま近づいてきた
その手に誘導され立ち上がると
亮平さんの胸の中に収まった