「タクシー乗り場まで一緒に行った、詩織は男が迎えに来るからって、そこで別れたんだ。嘘は言っていない」


信じてくれ、と
目で訴えられている気がした


『わかった…』


そう言うと
亮平さんは安堵の表情


『お姉ちゃんと、シティホテルになんの用事があったのか、知りたいわ』



まさかの言葉に
亮平さんの安堵の顔は凍りついていた
健ちゃんが見たこと
あれは見間違いであってほしい
何度思った事か…


『エレベーターが閉まる直前、お姉ちゃんが抱きついて亮平さんもお姉ちゃんを抱き寄せたのはどう言うことかな?』


亮平さんが抱き寄せた話なんて聞いていない
私の嘘
違うと言ってほしい
否定してほしいと願い
話を作り上げた