いいお店ね、


そう伝えると
里奈は得意げな顔をし
私たちはカウンターへと腰を下ろした



「いらっしゃいませ、」



白髪交じりのヒゲの
ダンディーなマスターらしき人物
注文をしていないのに
カクテルが出て来た

えっ、と
戸惑っていると
里奈が教えてくれた


「初めての人にはマスターがオリジナルを作ってくれるんです」


オリジナル?
グラスの中は淡いブルー
泡がキラキラと輝いている


『おいし…』


その言葉にマスターも微笑み
楽しんでください、と
それ以上は踏み込んでこない


里奈との時間を楽しみ
有意義な時間となった



時計を見れば日が変わる直前
里奈と駅で別れ
私たちは家路へと急いだ