そんな幸せな気持ちを
ぶち壊す一言が放たれた



「楓の実家に一度挨拶に行きたい」



それは、そういうことだと思う
本来なら喜ばしいこと
でも実家には、姉がいる
姉に亮平さんを会わせたくない



『いいよ、そんなの』



初めはそう言っていたが
結構何度も亮平さんは打診してくる
何度断っても、諦めない



それが1ヶ月も続いたある日
亮平さんがあることを提案してきた



「見返してやればいい」



見返す?何を?
どういうことかわからず聞いてみると
亮平さんを実家に連れて行き
両親と姉に紹介し
幸せにやっていると話せば
両親は安心してくれる



「俺レベルのオトコが楓にいるってわかったら悔しがるだろうな」


その言葉に笑ってしまう
自信過剰ではないことはわかっていた