この観覧車には、ある噂がある……
好きな人と観覧車に乗り
乗っている観覧車が真上に来たとき
好きな人とキスをすると……
その人と恋人になれる……という噂…
ワタシは、それを実行したいが………
な、七一くんと二人っきり…という今の状況に緊張して、それどころではない…っ////!!!
こ、こんな狭いところで……
な、七一くんと………二人っきり…
あ……ああああああああっ////
き、緊張して…また顔を上げられない!!!
七一くんを見れない!!
見れないよぉぉぉお……っ////
「吉野さん。大丈夫ですか…?
やはり、気分が……」
「……えっ!?い、いやいや!!
ち、違うよ!大丈夫大丈夫!
元気だよ!元気いっぱい!」
「………………」
「……………」ドキドキ…
体調……
強いて言うなら……
この胸のドキドキ…がヤバイよぉ…////
ああ…
七一くん……
七一くんと…二人っきり……
ヤバイよぉ…
心臓が破裂しそうだよぉ……
「…………吉野さん。すみません。
少し動きますね…」
「……え?………えっ!?ええ!?」
七一くんは、何故かワタシに謝ってきて
ワタシは顔を上げて、七一くんを見ようとしたら……
ワタシたちが乗っていた観覧車は少し揺れ
ワタシの隣に七一くんが座ってきた
え!?
ええっ…////!?
な、七一くん////!?
「……すみません…
吉野さんが観覧車に乗るのが怖いとは思いませんでした……
すみません。無理に誘ってしまって……」
「えっ……!?いや、違う。違うよ?」
七一くんは、ワタシが高所恐怖症だと思ったのかワタシを安心させるために
ワタシの隣に座ってきた
ワタシは、そんな優しい七一くんに嬉しいと思う反面
気を遣わしてしまったと思った
「すみません。吉野さん…
こんなことで吉野さんが安心するか分かりませんが……」
「……えっ……?ええっ////!?」
「観覧車が下に着くまで、こうさせてください」
「………ッ////!!!」
七一くんは、ワタシの手をそっと握ると
優しく微笑んだ
て、
て
てぇ…////!!!
て、て、手をつ、繋いでるよ!!
な、七一くんと…ッ////
て、て、手を……ッ////!!!
ドン…!
ドン…ッ!!
ドーーーーーンっ!!
「……あ、花火だ…」
いつの間にか、辺りは真っ暗になり……
カップルイベント……花火が上がった
七一くんは、ワタシの手を優しく握ったまま
外の花火を見ていた
このまま頂上でキスをすれば…
七一くんと恋人になれるかもしれない……
だけど……
「綺麗ですね…」
「………////」
今は……
これで、満足………