[咲side]
がら「遅いのよ!何分待たせるの?」
「ごめんなさい、ご飯食べてたの。」
「は?普通昼休み始まってから来るのが礼儀でしょ?ほんと、こんな奴が陸の彼女なんて有り得ないわ。私の方が似合ってるのに。ほんとに。」
だったら告白すればいいのに。
そう思った人多いはず。私も思ったもん。
この人どうして告白しないんだろ?
今日限りだし聞いてみよ。
「ねえ、じゃあなんで告白しないの?
好きって2言伝えたらこんな事せずに幸せになれるんだよ?変なプライド捨てた方が人生楽だと思う。今からでも遅くないよ。告白しなよ。」
「は?うざっ。そういうのウザイんだけど。陸は私のことが好きなの。あんたなんて遊びなの。ねえ分かる??」
そうなんだぁ〜。ま、どうでもいいけど。
「遊びなのは分かった。もう帰っていいかな?ここうるさくしたら迷惑だし。」
「うん。私たち1人1人があなたを殴り終わったらね?その顔ぐちゃぐちゃにしてあげるよ。」
そう言って振り降ろされた拳。
その時
ポーン
録画の音が微かに聞こえた。
「早く殴ってよ!!」
ま、今殴られる方が楽だし、痛さは早く終わらせるに限るから早くおわらせよ
「ねえ。気づいてた?僕、ここでカメラ回してるんだよね。先生にチクるよ?そしたらもう退学か停学。みんなに白い目で見られるの恥ずかしいよね?」
イケメンがいたのだ。
「もう、しないで。僕の大事な彼女に。」
ふるふると震えながら及川さんたちは逃げていった。
当の私は放心状態で。
なにが起きたのかわかってるけど理解できないという状態。
でも一つ理解出来たのはイケメンが助けてくれたってこと。
「ねえ何でここって分かったの?」
「市川さんがここって教えてくれた。それより大丈夫?怪我してない?」
「うん。それよりいつからいたの?気づかなかった。」
「普通に。音立てないように入ったから。」
「そうなんだ。助けてくれてありがとう。殴られてのバレたら親が怒って大変なことになるから。ありがとう、ほんとに。」
「でも今から俺が怒るからね?」
「なんで?」
「自ら危ないところに行ったからかな?」
「ごめんなさい、でも負けたくなくて。」
「たまには負けるのも大切だよ。」
そっと抱きしめてくれた腕は強くて優しかった。
イケメンにちょっとだけ惚れました