少女連続誘拐事件が解決した二日後。
喫茶店は開いていなかった。
昨日は全員事情聴取で、帰ってすぐ寝たから、滋やレジーナ、夏芽は詳しいことを知らないままだった。
今日は、その事件について聞くために、休店している。
話す側、聞く側で席を分けた。
テーブルを挟むように、座る。
「みーんな、元気がないね?」
重い空気の中で、一番に話したのは、夏芽。
「何? 誰か死んだの?」
それにレジーナが続く。
本当に何も知らない夏芽とレジーナは、雰囲気をどう読み取るべきか、わからなかった。
「死んでない。これから死ぬんだ」
「……じょ、冗談はやめてよ」
一弥があまりに真剣に言うから、レジーナは戸惑った。
「冗談ではない」
「いや、いきなりそんなこと聞いて、そうなんだね、なんて言うやついる? 納得出来るように説明してよ」
レジーナが知由に迫った。