知由と服を交換され、一人倉庫に残された友奈は、隅っこでうずくまっていた。
「早く助けに来なさいよ、バカ三崎……」
心細さからか、友奈の目には涙が浮かんでいる。
すると、勢いよくドアが開いた。
助けが来たと思って顔を上げるたが、そこには犯人の二人組がいた。
友奈は慌てて顔を隠す。
「おい……ほかのガキがいないぞ!」
男は焦ったのか、声を荒らげる。
「いいじゃない。天才ちゃんがいるんだから」
一方女は落ち着いているようだ。
「天才ちゃん、ここにご飯置いとくから。食べない、なんてことしないでね? 毒は入ってないから」
女は食事を置き、男を連れて部屋を出ていった。
しっかりと扉が閉まったことを確認し、立ち上がる。
「本当にアイツ目的だったんだ……」
服についた埃を払い、食べ物に近付く。
「ていうか趣味悪いのよ、この服。もっと可愛い格好すればいいのに」
友奈は気を紛らわすために知由への文句を言いながら、運ばれてきたパンを口に入れる。