捜査、尾行を開始して三日が過ぎた。
「三崎」
喫茶店で情報収集をしていた海が、知由のもとに紙を持っていく。
「何かわかったのだな?」
海は知由の前の席に座り、資料を渡した。
「一通りな。とりあえず、目を通してくれないか? 足りない情報があったら言ってくれ」
知由は紙を受け取り、目を通す。
三崎洋一、二十八歳。
その妻、三崎夢里、二十五歳。
洋一の仕事はサラリーマン、夢里は女優。
夢里が十六歳のとき、知由を産むが、施設に預ける。
結婚は知由が生まれた時期にした。
離婚はしていない。
……など、箇条書きのように二人の情報が記されていた。
全てを読んだ知由は、資料を机に置く。
「いや、十分だ。ありがとう」
「お前、感謝の言葉知ってたんだな」
海は冗談めかして驚いてみせた。
「失礼にもほどがあるぞ」
それに乗るように、知由は海を睨む。