「盛り上がってるとこ悪いけど、まだ普通にデートしたこともないだろ」



その笑顔に水を差したのは、三神君だった。



二人は緊張するから、もう少しあとがいいなあ、なんて……



「私は花と遊びたいの。でも二人きりだったら、三神、怒るじゃん」


「当たり前だ」



……当たり前なのか。



てことは、男子だけじゃなくて、女子も許されない……



マジですか。



「だから、ダブルデート。わかった?」



三神君は返す言葉がなくなったのか、黙り込んでしまった。



「今週の日曜、遊園地ね。詳しいことはまた後日ってことで!」



麗ちゃんはそれだけ言って、教室を出ていった。



「嵐士……あの爆弾が暴走しないよう、見張っとけよ」



爆弾って。



私は横で聞いていながら、苦笑した。



「失礼だな、人の彼女に向かって」