「なんで」
麗ちゃんは三神君を睨む。
「西野は俺の彼女なんだよ」
三神君は麗ちゃんだけじゃなくて、周りの生徒にも聞こえるように言った。
「だから、手を出すなよ?」
それは、周りの女子生徒に向けて言われた言葉だった。
「よかったね、花」
すると、麗ちゃんはそっと私に耳打ちした。
友だちに祝ってもらえるのって、なんだか照れくさいけど、やっぱり嬉しい。
「次は麗ちゃんの番だね」
「うん!」
「麗、離れろって」
三神君はまた、麗ちゃんと私の距離を開けた。
ていうか……
「三神、嫉妬しすぎ。ウザい」
麗ちゃん、遠慮ない……
けど、まさしく私が思ったことだった。
ちょっと嬉しかったけどね。