「私は余ったのでいいから」
「じゃ、俺も最後でいいや」
そして、私と三神君は余ったくじをもらった。
開いて番号を確認し、荷物を移動させる。
私の席は、廊下側の一番後ろになった。
すると、三神君が私の前の席を埋めた。
「よろしくな」
「うん!」
前後になれるなんて、本当に嬉しい。
でも私……
授業に集中できるかな……?
「花、三神と前後なんだね!」
もうすぐで一時間目が始まりそうっていうのに、麗ちゃんは窓から顔を出していた。
珍しく、野澤君といない。
「麗、うるさい。つーか、いいのか?嵐士から目、離してて。アイツ、どうせまた女口説いてるんじゃね?」
三神君は迷惑そうに言った。
「それは困る!じゃあね、花!」
それに対してはなにも言わず、麗ちゃんは慌ただしく、自分のクラスに戻っていった。