我に返ったのか知らないけど、お父さんは申しわけなさそうな顔をしていた。



もう、騙されない。



ていうか、千秋をこんなふうにされて、許せるわけないもん。



私は付き添いとして救急車に乗り、病院に行った。



病院に運ばれ、即入院となった千秋は、一週間経ってもまだ目を覚ましていなかった。



「花ちゃん、毎日ありがとねー」



お姉さんが花瓶の水換えを終えて病室に入ってきた。



私はというと、千秋が眠るベッドの横に座っていた。



「いえ……」



確実に私のせいだから、来ないわけにはいかない。



まあ、それがなくても千秋のお見舞いならいくらでも来るんだけどね。


千秋といられない日なんて、寂しいなんてもんじゃないから。



だから、早く目を覚まして?



千秋のその声で、私の名前を呼んでほしい。


千秋の笑顔が見たい。



「ちわー」



すると、野澤君と麗が病室に入ってきた。