「なんで?俺の幸せを奪ったお前らだけ幸せにさせるわけないだろ。とことん不幸に追いつめてやる」
なんで……
なんで、この人が私のお父さんなの……?
「お前なんか、産まれなかったら良かったんだよ!」
お父さんはそう言って、大きくてを振り上げた。
また殴られると思って、私は目を瞑る。
だけど、いつまで経っても痛みはない。
私は恐る恐る目を開けてみる。
「女の子に暴力はダメでしょ」
野澤君がお父さんの腕を掴んでいた。
「花、大丈夫!?」
後ろには麗がいて、縄を解いてくれた。
「どうして二人とも……」
「今日のこと、千秋と麗に話してたときにメールが来てね。千秋は真っ直ぐこっちに駆けつけたんだけど、俺はちょっと手間取って」
野澤君がそう言うと、黒いスーツを着た人たちが何人も入ってきた。
もしかして……
「俺のボディガード」
ですよね。