お父さんはある一人に、分厚い茶封筒を渡した。
どういうこと……?
「花、中に入って」
お父さんの言葉を、首を横に振って断る。
すると、お父さんは思いっきり私の頬を叩いた。
「入れと言ったのが聞こえなかったか?」
また断る勇気なんて、私にはなかった。
恐怖に支配されながら、私は倉庫に入る。
中に入った瞬間、私は手首を縛られ、黒いソファに突き飛ばされた。
「お前はやっぱり詩織の娘だな。詩織と同じように、俺の邪魔をして」
そう言うお父さんの目は、もう優しくなかった。
多分、これが本性なんだと思う。
ていうか、お母さんもお父さんの邪魔って?
「仕事が軌道に乗り始めても、頑張れの一言もなかった。むしろ、やる気を削ぐような言葉しか言わなかった」
それは、お母さんなりの優しさだと思うけど……
「本当は母娘そろって苦しめてやりたかったが、詩織は死んだらしいからな。お前だけにしてやる」
お父さんは携帯を私に向け、写真を撮った。
なにをするつもり……?