春。
まだまだあどけない表情で校長の話を聞く。
初めての制服。
初めて見る顔。
あたしの恋は、見つけられるかな…。
「おっはよ〜琉稀歩(るきあ)!」
ドンッ。
「いったぁ…。もー中学生なんだからもっと大人っぽくなろうよ。彩乃(あやの)。」
突然突進してきたこの子は彩乃。唯一の幼馴染みで親友。可愛いのに恋とかそういうのに興味が無い。
「つぅかあたしらクラス分かれたね彩乃。」
「まぁ会いに行ってあげるから!」
「絶対よ、彩乃。あとあたし彼氏できたら言うからね」
「できるといいね〜。じゃ、またね!」
ガラガラっ。彩乃と別れクラスに入ったとたん。
「琉稀歩ぁぁぁぁ!同クラよっしゃあ!」
前から叫びながら走ってくる女の子は彩乃の次に仲がいい、愛莉。
「んな叫ばなくても聞こえてるっつの!またあんたの世話しなきゃね。」
「愛が琉稀歩の世話するの♡」
自分のことを愛と呼ぶこの子もまた彩乃と違った可愛さがある。
福島小学校と新屋小学校が混ざる中学校生活が始まる。不安と期待、何より彼氏候補探し!パッと見たとこ、身長だけだと候補が…5人くらい………。あたしの高い身長をこの時憎んだ。
この浮かれてた時の自分に教えてやりたい。これから何が起こるのか。どの道が正解なのか。あたしは後悔している、と。