むかーしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました
大雪の降るある夜のことです

「こんな寒い日に食う鍋は格別じゃのぅ、おばあさんや」

「そうですねぇ、おじいさん。ほれ、早く食べないと豆腐が固くなってしまいますよ」

「おぉ、そうじゃったそうじゃった。おばあさんも、ほれ」

おじいさんとおばあさんは仲良く鍋をつついていました

その時です

トントン・・・・トントン・・・

扉を叩く音が聞こえてきました

「ありゃ?こんな夜遅くに客かのぅ・・・・」

おじいさんが恐る恐る玄関を開けると

「あの、すみません。ワタクシ、道に迷ってしまって・・・少しでいいので休ませて頂けませんか?」

そこには一人のかわいらしい娘が震えながら立っていました

「ひゃ~~!こんな夜道を歩いて来られたのかぁ!ささ、鍋でも食べて暖まりなされ」

「ありがとう・・・・」

おじいさん達は若い娘を家に招き入れました

「おじいさんおばあさん♪本当にありがとう♪お鍋、とってもおいしかったわ♪」

「まぁまぁ、すっかり元気になられて・・・・・外もまだ猛吹雪じゃ、ゆっくりしていきなさいな」

「はい♪あ、あの、ひとつお願いがあるのですが・・・」