いつからだろうか。

いつも帰ってくる家は誰もいないはずなのに私を待つ誰かがいるようなそんな気がする。

「ただいま」

暗くなった部屋に光を灯し私は晩御飯の支度を始めた。

食べ終わり、お風呂の準備をしに廊下に出るとフワッと花の香りが鼻をくすぐる。


……ここ最近?

いや、この家に来た時からふとした瞬間に甘くて私を落ち着かせるこの香りが私と一緒に住んでいる。