***


「ちーさ」





保健室で、足首に包帯を巻こうとしてた手をピタッと止めて、


恐る恐る声のした方を見る





「ゔ…と、藤堂…」


「はい、藤堂でーす」




扉に寄りかかってクスクス笑ってる


くそぅ…今は会いたくなかったのに!

どうして私がここにいるって分かったんだ!





「なんで…」


「歩き方変だったから。ほら、貸して」





包帯をとって、目の前にしゃがむ


あ、麻美でさえ気づかなかったのに…




騎馬戦でバランスを崩して落ちてしまった私

色んなところを強く打って、
しかも足首もひねったみたいで



これ以上麻美に心配もかけたくなかったから、

こっそりこうやって保健室に来たっていうのに。



……藤堂にはバレバレだったらしい…