「それじゃ、浩二さん、行きますよ。」
「はい‥」
男に、掴まって一歩、足を出した。
わずかばかり、辺りが明るい感じが‥
10歩ほども歩いただろうか、男が口を開いた。
「浩二さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。まだ歩くの?」
「いえ、あ、あと少しです‥」
そう言うと、男はゆっくり歩き出した。何歩か、歩いたところで、微かに自動ドアのような音がした。
「浩二さん、いいですよ‥目隠しを、ゆっくり外してください」
「あ‥はい‥」
浩二さん、ゆっくり外してみます‥
そこには‥
ホテル‥?
「んな‥そんなんあり?まさか‥あり得なーい!俺、ここで15年暮らしてるけど、こんなん知らねーぞぉ!」