ピエールが生を受けたのは、2084年。
シャルより、40年ほど、後のことだ。
父親のお供で、医療センターを訪ねて、父親の意外な過去を知る
父親の名は、セバスチャン
そう、シャルの元恋人
今風に言うと元カレ
冷凍カプセルの、小さな窓から、僅かに見えたその顔
どうやら一目惚れだったらしい。
(この人を、守りたい。いや、そばに居るだけでもいい。)
家に帰って、すぐに父親に冷凍保存してくれと、懇願したそうだ。
一年の後、ピエール、そしてシャルの一族も含めての話し合いがあり、命の保証は無いことを理解した上で、決定したそうだ。
普通は、一人の女の子のために、そこまで危険なことはしない。これを勇気と言っていいのか、解らないが…
2105年、21才のピエールは、夢と希望を抱いて、冷凍カプセルに入った。