「あれ?こっちですか?こっちは‥」

「着けば、わかるはずですので‥」


暮れ掛かった道を、チグハグな会話を交わしながら、歩いている二人


「浩二さん、こっちへ‥」

「そっちは‥ほこらの‥」


道を左手に曲がり、更に細くなった山道を、少しばかり進むと、ほこらを奉る小屋が見えてくる

小屋の裏に、小さな洞窟があり、その昔、神様を奉るほこらだった
今は、神社が出来たけどね。


「ここです‥」

「いや、ここって‥ほこらですよ?」

「ここを使っています。浩二さんは、これを付けていただきます。」


そう言って、男が差し出したのは、ペラペラの目隠し
素直な性格の浩二さん、目隠しを付けてます。


「ちょっとの間、我慢してください。」

「本当に何も見えないな‥。で、どうするの?」

「私の肘を掴んでください。あ、ここです‥はい、そうです‥私に付いて来てください。」