そこから、意外な事実がわかったり、新たな容疑者が浮かび上がることもおおいに考えられる。


「あらかた、事情聴取は終わってるんですよね?」

「あぁ、そうだが…君たちから適当に質問してもらってかまわないよ。

こちらとしてはね」

「……ありがとうございます」


最後の一言が耳についたが、敢えて気にせずに容疑者達と向き合う。

晶は笑顔を見せることなく、淡々と話し始めた。


「先程事情聴取を終えたばかりで申し訳ないのですが、少しだけ私達の質問に答えていただいても構いませんか?

こんな若輩者に質問されることが気に食わないかも知れませんが…大目に見てください」


東野亮太が息を呑む声が聞こえた。

得体の知れない高校生に戸惑っているのだろう。

5人中では一番気が弱そうだ。


「えぇ、僕はかまいませんよ」


唯一晶と響の正体を知る、知也が頷いた。

それにつられたのか、他の面々も小さく首をたてに動かす。


晶は軽く微笑んだ。