「三田村さん、この人達」


晶の呼び掛けに小さく頷く。


「我々が目を付けている人物だ。

被害者は亡くなる一時間前に息子である南城拓人、東野亮太、西尾茜らと話していたらしい。

その後、北宮和也と軽く会話をしたとのことだ――皮肉の言い合いのようだったらしいがな」

「そして、香恵さんと知也さんのテーブル、つまり俺達の所に来たってわけですか?」


響の言葉にうなずき、言葉を続けた。


「そうだ。後は君たちの知ってる通りだ。

…といっても、パーティーにはかなりの人数が参加していたらしい。

だからこそ、警察も容疑者が絞り込めずに困ってるんだ」


なるほど、と返事をして再び彼らを見る。


動機の有る無しに関わらず、政人とつながりの強い人たちを集めて、詳しい事情聴取をした、というところだろう。

表向きには上手くいっていたとしても、実際はどうか分からない。

警察の考えそうなことだ。


晶自身もその判断には賛成だった。

何せ、政党を代表する派閥のトップである政人と会話をしたであろう人々を調べていたら、きりがない。

ならば、より近いところから潰していくべきだ。