心待ちにしてた入学。

その時に見た先輩は俺と同様に

イメチェンをしてた。

長くてさらさらしてた黒髪は

ショートになってる。

喋り方から身の回りのものまで

雰囲気がガラッと変わっていた。

でも、優梨先輩は優梨先輩で

どんな優梨先輩でも好きな気持ちに

偽りはなかった。

球技大会のあと先輩を追いかけた

「優梨先輩」

と呼んでも素っ気ない返事。

きっと俺があの時の

しゅんちゃんだなんて思ってないんだ。

でも、俺にとってはそっちの方が

都合がよかった。

あの時の情けない“僕”なんかじゃなくて

今ちゃんと先輩の目を見て

話せるようになった

“俺”の姿を見て

あわよくば好きになって欲しかった。