「…っ!ばか。じゃあ、もっと大事にしろよ。オレのこと不安にさせんな。オレがどんだけ奈和のこと想ってるかなんて、そんなの分かってんだろーがっ!」


キツく抱き締めたままで零したあたしの言葉。
きっと欲望まみれで汚いものでしかないのに…侑斗はそう、笑って受け入れてくれる。
そうだよね…偶には曝け出して言わなければ伝わらない。
そんな簡単なことに、気付けなくてごめん。
いっぱい…悲しませて、ごめんね。


「奈和…勝手に飛び出してごめんな?」
「…ううん。あたしの方こそ…ごめんね?」


この世にたった一つしかない、「愛してる」をキミの気の済むまで言い続けるから。
だから、あたしにキミのたった一つの愛を下さい。



キミの耳元を掠めた言葉…。
それだけにありったけの誠実さが宿っていればいい。



『あたしの傍であたしだけを愛してよ、もっと……』





fin.