「…っなんで、見つけんだよ!」

叫ばれた声は、ひどく掠れて震えたものだった。
ズキズキと痛んでいく心臓に無意識に手を当てながら、あたしは侑斗へ何も返せないまま佇んでいた。

「お前にとって、オレってなんなんだよ……」

ボロボロと零れていく侑斗の涙は、あたしにとっていつだって綺麗過ぎるから。
抱き締めたい気持ちが溢れてきて仕方がないのに、汚れっぱなしの手を伸ばすことに躊躇する。普段の強気な雰囲気は微塵も感じなれない、捨てられた仔猫のようなその姿に、戸惑うばかりで、動けなかった。