こんな時、侑斗の気持ちを自分に向けられるような、気の利いた言葉が出てこない自分が嫌になる。

それでも、溢れてくるのは、ひたすらくさい愛の言葉と。
情けないくらいの謝罪の言葉だけだった。

部屋を出てから、あちこち走り回って侑斗の居そうな場所を探すけど、数少ない心当たりを一つずつ回ってみても全然見つからなくて。

焦るほど侑斗が離れて行ってしまうような気がして怖くなる。

メールの返事が来るのを待ってみても、侑斗限定の着メロが鳴ることはなかった。



「……っ。はぁ……っ。見つけたら、抱き締めたままもう、二度と離さないから…」



そう呟きながら、マンションをどんどん離れていく。
壊れてしまったみたいに、止まることもなく走り続けるあたしを、何事かと道行く人達が振り返るけど、そんなものに構っていられなくて。



もしもここで、誰かに狙われて撃たれたとしても…。
あたしは、侑斗に逢う為に、這ってでも探しに行くだろう。