30分ほどで水やりが終わった。

炎天下のせいで、汗だくだ。

報告することに躊躇していると、浜野先生は背を向けたまま立ち上がった。

思わず身構えてしまう。


「気を付けて帰れよ」

背を向けたまま言うと、浜野先生は校舎の中に歩いて行く。


パタパタとYシャツを扇いでいるのが、遠目からでもわかる。

この炎天下の中、ずっとベンチに座って待っててくれた。

きっと私より暑かったはずー…


「あ…ありがとうございました!」

…あれ。

咄嗟に出た言葉と、その大きな声に自分でも驚いた。