想いを伝えることができないまま、季節は12月になっていた。 この地域の時期には珍しく、雪が降り積もった。 路面が凍結しいつもは自転車通学だが、歩いて学校に登校することになった。 「寒い…」 首に巻いたマフラーからは、あの香りがする。 浜野先生と同じ香り… そう思うだけで、朝からドキドキする。 「新井!今日は早いな」 「!」 校門の前を見るとそこにいたのは、浜野先生。