思い出したように言った大橋さんに、わたしは視線を向けた。

「今週の金曜日に支社長の歓迎会をやるんだけど、どうする？

参加する？」

大橋さんはそう言うと、わたしと平野さんを見つめた。

「もちろん、私はいつも通り参加するよ。

いつもの飲み屋でやるんでしょ？」

平野さんは首を縦に振って返事をした。

えっ、“いつもの飲み屋”ってどこですか？

と言うか、支社長がやってきてからもう少しで１ヶ月になろうとしているんですけれどもやるんですか？

「まひるちゃんは参加するの？」

大橋さんが聞いてきた。

「あー、えっと…」

今週の金曜日はバイトがない…と言いたいところだけど、もしもの場合がある。

もしその日に出勤する予定の子が何らかの事情があって出勤できなかったら、わたしにそのお鉢が回ってくると言う可能性もある。