支社長と一緒に暮らしていることは秘密である。

残りの3ヶ月を平穏に過ごしたいんだもん。

そう思っていたら、
「私、高畑さんとずっと話がしたいって思ってたんだよね」

大橋さんが言った。

「えっ?」

話がしたいって、わたしと?

わたしと話なんかしてもたいしたことなんてないと思うんだけどなあ。

「高畑さん、いつも1人じゃない。

1人でご飯を食べてるし、飲み会にだって参加したことないし、普段だって仕事が終わると真っ先に帰っちゃうし。

いつも距離を置かれてるような感じがして…本当のことを言うと、私たちのことを嫌ってるのかなって思ってたんだ」

大橋さんが言った。

「はあ、そうですか…」

夢のことに頭と手がいっぱいで、周りのことを考えているヒマなんてなかった。

わたし、そんな風に思われてたんだな…。