バイトを優先したいのはもちろんのこと、体質的にお酒全般が躰を受け付けないうえに、飲み会ならではのなれなれしい空気が嫌いで参加しないと言うのも理由である。

「彼氏がいるって言うことになってるなら、ある意味好都合ですね。

その彼氏の存在を理由に出して参加を断ることができるなら、それでいいです」

「お前なあ…」

支社長は呆れたと言うように息を吐くと、
「もう少し、周りに目を向けようと言う気はないのか?」
と、言った。

「飲み会に参加したくない、できることならば断わりたいと思っているヤツはお前だけじゃないぞ。

お前のようにキッパリと断ることができなくて仕方なく参加しているヤツの方がほとんどだ。

何故、お前はそこに気づくことができない?」

「は、はあ…」

言われるだけ言われて言い返すことができない。