「最初のうちは珍しいと思うかも知れないが、毎日続けてたら誰か1人は話かけてくるヤツが出てくるだろ。

明日からは自分のデスクで弁当を食うのはやめて食堂に行って、そこで弁当を食え」

「はい」

わたしが首を縦に振ってうなずいたことを確認すると、
「それから、飲み会には顔だけでもいいから参加することだな。

いくら忘年会や新年会に参加して金を払っているからと言って開始から1時間で帰るのはどうかと思うぞ」

支社長が言った。

「でも、バイトがありますし…。

バイトがない時だって、その日にくるはずだった子が急用でこられなくなったから代わりに出てくれって頼まれることもあります」

「お前がバイトを第一に考えたいと言うのはわかる」

「わたし、お酒が飲めないうえに空気もどちらかと言うと嫌いなので…」

わたしは呟くように言った。