「“飲み会に参加してるヒマがあるなら夕飯を作ってろ、俺は腹が減っているんだー!”みたいな感じで言われてるかもね。

もしかしたら、お弁当もその彼氏のために作ってるのかも」

話をしている宮園はかなりおもしろがっているようだ。

噂で聞いたとか何とか言ってたけど、その噂を作ってるのはお前じゃないのか?

そうツッコミを入れたくなったが、俺はみそ汁をすすった。

「かなりの亭主関白みたいですね」

「今どきいるんだね、そんなことを言う日本男子って」

完全に噂を真に受けている2人に対して、
「――バカバカしい…」

俺は呟いた。

ありもしない噂に踊らされて信じるのは高校生までだぞ。

「し、支社長…?」

俺の様子に、宮園が恐怖を隠せないと言うように声をかけてきた。

平野は驚いていて、大橋はガタガタと躰を震わせていた。