「彼氏がいるからじゃない?」

その声に視線を向けると、宮園だった。

彼女は今年で入社7年目になる女性社員だ。

「彼氏って…高畑さんに彼氏がいるんですか?」

初めて聞いたと言うように言った平野の隣に宮園は腰を下ろした。

「私も噂で聞いただけなんだけどね…高畑さんの彼氏、厳しいうえに嫉妬深い性格らしいのよ。

高畑さんが飲み会に参加しないのも、彼氏が飲み会に参加することを快く思っていない…と言うか、飲み会に参加することを嫌がるみたいな」

宮園は平野と大橋に話した。

彼氏?

高畑まひるの彼氏なんて、見たこともなければ聞いたこともないぞ。

「えーっ、そうなんですかー」

「へえーっ、高畑さんに彼氏がいたなんて知らなかったなー」

話を聞かされた平野と大橋は真に受けているようだった。