「いや、いじめているとかそんなんじゃないんですよ?

まあ、何と言いますか…彼女が一方的に私たちのことを避けているような気がするんです」

「そうそう、飲み会にも参加しないよね。

誘っても“用事があるからごめんなさい”って言って断られちゃって…ああ、でも忘年会とか新年会には参加していますよ?

と言っても、いつも1時間くらいで帰っちゃうんですけどね。

まあ、お金は払っているからいいんだけど」

平野と大橋は話を始めた。

「へえ、飲み会に参加しないんだ」

俺が呟いたら、
「入社してから1回も参加したことがないんです。

昼休みも、お弁当を持ってきて自分のデスクで1人で食べていますし」

平野が言った。

「えっ、いつも1人で食べてるの?」

驚いたと言うように言った大橋に、
「1人らしいよ」

平野が言い返した。