ツツーッと、頬に涙がこぼれ落ちた。

「まひるは、正しいことをしたんだよね…?

まひるがしたことは、間違ってないんだよね…?」

「――本当に、そう思っているのか?」

その声が聞こえたので驚いた。

「――えっ、ええっ…?」

わたしの目の前にいたのは、
「――お、お父さん…?」

お父さんだった。

「えっ、何で?」

目の前にお父さんがいる理由がわからない。

と言うか、何が起こっているの?

訳がわからなくて戸惑っている私に、
「まひるにも好きな人ができたんだな」

お父さんが言った。

「うん、できたよ」

わたしは首を縦に振ってうなずいた。

「そうか、まひるもそんな年齢になったんだな」

「まひる、もう25だよ?」

そう言い返したわたしに、お父さんはクスクスと笑った。