本当にそれだけのことだった。

監視と言う名目での、高畑まひるとの同居だった。

だけど、日が経つにつれて俺は彼女にひかれていることに気づいた。

高畑まひるの手料理が美味しいところや父親思いなところ、世間知らずなところはあるが夢に向かって常に一生懸命に頑張っているその姿にも俺はひかれた。

「嫌いなものはあるんですか?」

だから、高畑まひるが俺に興味を思ってくれたことが嬉しかった。

ただの質問だったとしても、俺にはそれがとても嬉しかった。

本当に、高畑まひるが俺のことを思ってくれればいいのに。

夢のことじゃなくて、俺を見て欲しい。

「高畑まひる」

そんなことを言ったら、彼女は迷惑がるだろうか?

「はい」

返事をした彼女の頬に手を添えて、その唇を自分の唇と重ねた。