彼女が『ニノミヤ硝子株式会社』の社員だったことを知ったのは、それからすぐのことだった。

「これがW支社に勤めている社員たちの名簿ね」

『ニノミヤ硝子株式会社』の現社長で、俺のおじさんでもある彼は名簿を俺に渡した。

「ふーん…」

俺は返事をすると名簿を開いた。

これから勤めることになる社員たちの顔と名前を覚えないといけないから…。

そう思いながら1人1人の社員の名前と顔を確認していると、
「んっ?」

ある人物のところで俺の目が止まった。

「どうかしたか?」

俺の様子におじさんが聞いてきたけれど、
「いえ、何でもないです」

俺は名簿から顔をあげると、首を横に振って返事をした。

もう1度名簿に視線を向けると、俺は確認をした。

高畑まひる――その名前の顔写真に視線を向けると、例のファミレスの店員だった。

あいつ、ここの社員だったのかよ…!