「褒美と言うものはな、ありがたく受け取るんだよ」

「わ、わかっていますけど…」

「俺があげると言っているんだから、お前はありがたくそれを受け取れ。

よっぽどのことがない限り、あげたものを返そうと思うな」

そう言った支社長に、わたしは何も言い返せなくなってしまった。

仕方なく、チョコレートの箱に視線を向けた。

「…どこで買ったんですか?」

箱の裏には、『キルリア』と書いてあった。

チョコレート専門メーカーで有名なところだ。

「近くのスーパーマーケット」

わたしの質問に支社長が答えた。

「そうですか…」

そう返事をしたわたしに、
「チョコレート、嫌いだったか?」

支社長が聞いてきたので、わたしは首を横に振った。